なぜ違法ダウンロードだけではなく、違法アップロードに?!
弁護士が解説します
ビットトレントなどのトレント関連のソフトで、著作権で保護されたファイルをダウンロードした場合、なぜ違法ダウンロードだけでなく、違法アップロードしていることになってしまうのでしょうか。
ビットトレントの仕組みを弁護士が解説します。
ビットトレントの仕組みを弁護士が解説します。
1. ビットトレントとは
ビットトレントは、いわゆるP2P形式のファイル交換共有ソフトで、ユーザー同士のデータの授受を通じて、中央管理的なサーバーを必要とすることなく、大容量のファイルを高速で共有することを可能とするものです。
トレントの利用自体は、合法ですが、著作権で保護されたファイルをダウンロードすると、違法になります。
トレントの利用自体は、合法ですが、著作権で保護されたファイルをダウンロードすると、違法になります。
2. トレント関連の用語解説
トレントの違法ダウンロードが違法アップロードにもなってしまうことを解説するために、まずは、トレント関連の用語から説明して行きましょう。
⑴ ピア(Peer)
トレントでファイルをダウンロードしているユーザーのことをピアと言います。具体的には、ダウンロードを始めたユーザーとダウンロード途中のユーザーのことを指します。
⑵ P2P(ピアツーピア)
P2PはPeer to Peer(ピアツーピア)の略でファイルデータが未完成なユーザー同⼠がダウンロードとアップロードをしながら共有している状態を指し、中央サーバーを介さずに通信する通信方式です。
⑶ シーダー(Seeder)
ファイルをアップロードして配布するユーザーで、ピア(Peer)としてファイルを完全にダウンロードした後に、トレントから接続を切らないでいると、今度はシーダーとなります。シーダーの数は多ければ多いほどダウンロードが⾼速化することになります。
⑷ BitTorrent
インターネット上のファイル共有⽅法のひとつで、P2Pと呼ばれることもありますが、P2Pの中でもBitTorrentは他のファイル共有ソフトと⽐較して、⾼速で⼤容量のファイルをダウンロードできることに特徴があります。
⑸ トラッカー
クライアントからの要求に応じて、ピアのIPアドレスとポートの⼀覧をサーバーに送るサーバー側のプログラムのことを言います。
⑹ トラッカーサイト
トレントファイルの登録を許可しているサイトで、サイトそのものでトラッカーを動作させています。通常はトレントファイルに記載されているトラッカー⼀覧に運営者として記述されています。
3. ビットトレントの仕組み
⑴ ファイルの分散
ビットトレントを利用して特定のファイルを配布する場合、まず、ファイルは小さなデータ(ピース)に分割され、分割された個々のピースは、ビットトレントのネットワークに接続されているユーザー(ピア)に分散して共有されます。
⑵ トレントファイルのダウンロード
ビットトレントを通じて特定のファイルをダウンロードするユーザーは、トラッカーサイトと呼ばれるウェブサイトに接続して、目的ファイルの所在等の情報が記録されたトレントファイルをダウンロードすることになります。
⑶ トラッカーサーバーへの接続
そして、ユーザーは、当該トレントファイルをビットトレントに読み込ませることで、トレントファイルに記録されたトラッカーサーバーに接続し、目的ファイルの提供者のリストを要求します。
トラッカーサーバーは、ユーザーによる要求に応じて、サーバーにアクセスしている目的ファイルの提供者のIPアドレス等が記載されたリストをユーザーに返信します。
トラッカーサーバーは、ユーザーによる要求に応じて、サーバーにアクセスしている目的ファイルの提供者のIPアドレス等が記載されたリストをユーザーに返信します。
⑷ ピースのダウンロード
リストを受け取ったユーザーは、目的ファイルのピースを保有しているビットトレント起動中の他の複数のユーザーに接続して、各接続先から、ピースのダウンロードを開始します。
そして、全てのピースのダウンロードが終了すると、自動的に、元の完全な状態の目的ファイルが復元されることになります。
そして、全てのピースのダウンロードが終了すると、自動的に、元の完全な状態の目的ファイルが復元されることになります。
⑸ 他のユーザーへのアップロード
完全な状態の目的ファイルを持つユーザーは、シーダーと呼ばれ、ピース全部のダウンロードが完了する前のユーザーは、リーチャーと呼びますが、ダウンロードが完了し、完全な状態の目的ファイルを保有すると、ユーザーは自動的にシーダーとなって、リーチャーからの求めに応じて、目的ファイルをアップロードしてリーチャーに提供することになります。
また、リーチャーは、目的ファイルのピース全部のダウンロードが完了する前であったとしても、既に保有しているピースを、他のリーチャーからの求めに応じてアップロードしていることになっています。
つまり、リーチャーは、目的ファイルのピース自らダウンロードすると同時に他のリーチャーに対して目的ファイルのピースを送信可能な状態に置いてしまっていることになっているのです。
また、リーチャーは、目的ファイルのピース全部のダウンロードが完了する前であったとしても、既に保有しているピースを、他のリーチャーからの求めに応じてアップロードしていることになっています。
つまり、リーチャーは、目的ファイルのピース自らダウンロードすると同時に他のリーチャーに対して目的ファイルのピースを送信可能な状態に置いてしまっていることになっているのです。
4. まとめ
このように、ビットトレントは、大変な便利なソフトですが、違法にアップロードされた著作権で保護されたファイルをダウンロードしてしまうと、ファイルを、全部ダウンロードする前のダウンロード途中であったとしても、ユーザーは、他のユーザーにファイルのピースを違法アップロードしていることになってしまうのです。
この記事の監修は
弁護士法人 東京スカイ法律事務所
代表弁護士 田中 健太郎
第一東京弁護士会 所属
代表弁護士 田中 健太郎
第一東京弁護士会 所属
トレント問題を担当する代表弁護士の田中健太郎は、2002年に東京大学医学部健康科学看護学科中退後、2003年に司法書士試験に合格、その後、2006年に司法試験に合格しました。
2008年に弁護士として登録し、弁護士経験は、15年で、理系出身の弁護士のため、IT関連についても、精通しています。
繋がらない場合は【080-8430-8695】におかけ下さい
電話がつながりましたら、「トレントについて相談したいのですが?」など、相談したい内容をお伝えください。まずは相談することが解決の第一歩です。お気軽にご連絡ください。
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